うちの奥さん、誰の奥さん?うちの奥さん、誰の奥さん?最近ほとんど市民権を得てしまった言い回しですが、これは非常に気持ちが 悪い使い方です。奥さんとは「他人の妻に対する敬称」です。「うちの」とい う言葉とはつながらないはずなんです。敬称を付ける分には否定はしませんが、 他人につける敬称を使うのはおかしいですよね。これは「うちの坊ちゃん」と 言っているのと同じ類の間違いです。 本来、こういう言い方をされて一番腹を立てて良いと思うのは当の「奥様」 だと思うのですが、では代わりに何という言葉を使えばいいのかと思って調べ てみても、「敬称」として使うべき言葉がないんですよね。「かみさん」や 「女房」という言葉は愛情を含んだ言い回しだということですが、これを感情 的に嫌っている奥様方の話はよく聞きます。日本語には女性に対する敬称がほ とんどないのでしょうか? 知っている方、教えてください。 まあ、言葉に対して「不快な感情」を持っていたり、「調べるのが嫌」だっ たりするのも「誤解語」のうちのひとつなのですが、とにかくこの「うちの奥 さん」という言い回しは嫌いです。 こんなことを書いていると「文句を言う前に間違いでも『奥さん』と言える 人をもらえ」と突っ込まれそうですが(^^ゞ とは言っても、ここまで市民権を得てしまえば、「奥さん」の定義が辞書に 新しく「最近は自分の妻の敬称にも使われる」という項目が追加されることも 遠くないでしょう。 |